就業規則の作成・届出義務

就業規則を作成・届出すべき会社とは

労働基準法によれば、「常時10人以上の従業員を使用する会社は、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければない。」と定められています。

また、就業規則は、原則として、一企業単位ではなく、個々の事業場単位で作成・届出しなければなりません。

従って、支店、店舗、工場などを複数もつ会社は、それぞれの事業場で就業規則を作成・届出する必要があります。

労働基準法 第89条 、 労働基準則 第49条1項

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、一定の事項について就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届け出なければならない。変更した場合においても、同様とする。

常時10人以上の従業員を使用する会社とは

「常時10人以上の従業員を使用する」とは、

時として10人未満になることはあっても、常態として10人以上の従業員を使用していることを意味します。

従って、例えば、常時は従業員数8人だが、繁忙期だけ人員2~3人を雇入れ、10人以上となるような場合は、就業規則の作成・届出義務はありません。

なお、この10人以上とは、パートタイマーやアルバイト等の従業員も全て含まれます。

従って、例えば、従業員数が10人で、うち正社員3人、パートタイマー7人のような場合は、就業規則を作成・届出しなければなりません。

また、常時10人以上の従業員を使用しているかどうかは、一企業単位ではなく、個々の事業場単位で判断します。

従って、例えば、一企業が2つの工場をもっており、いずれの工場も従業員数が10人未満である場合は、一企業全体の従業員数が10人以上であっても、就業規則の作成・届出義務はありません。

常時10人未満の従業員を使用する会社は

法律上、常時10人未満の従業員を使用する会社には、就業規則の作成・届出義務はありません。

これは、法律上で義務化されていないだけであり、従業員数10人未満の会社が、就業規則を作成しても何も問題はありません。

会社組織の秩序維持のため、また、労使間の無用な労働トラブルを防ぐため、常時10人未満の従業員を使用する会社であっても、就業規則を作成する方が望ましいことは言うまでもありません。

なお、常時10人以上の従業員を使用する会社が作成した就業規則と、10人未満の従業員を使用する会社が作成した就業規則とは、法的効力は何も変わりはありません。

就業規則を作成・届出しない場合の罰則

労働基準法に定められた就業規則の作成義務または届出義務に違反した場合には、罰則があり、30万円以下の罰金に処することが定められています。

また、労働条件等を変更したにもかかわらず就業規則を変更しなかったり、就業規則を変更してもその届出をしなかった場合も、同様に30万円以下の罰金になります。

しかし、実務上、会社が意識しなければならないことは、30万円以下の罰金という罰則ではありません。

就業規則を作成するということは、その内容が、会社と従業員との労働契約となることを十分理解しなければなりません。

就業規則を作成しないことは、会社と従業員との労働契約が明文化されていないということであり、就業規則を作成しないまま、労使間において労働トラブルが発生した場合は、30万円の罰金以上の大きな損害を及ぼすことになりかねません。