就業規則の記載事項

就業規則に記載すべき事項

就業規則に記載すべき事項は、必ず記載しなければならないとされる絶対的必要記載事項、定めをする場合には記載しなければならない相対的必要記載事項、記載するかどうかは自由である任意記載事項の3つに分類できます。

ただし、就業規則は、記載すべき事項の一部が記載されていなかったとしても、無効にはなりません。

記載すべき事項の一部を記載していない就業規則の効力は、その内容が法令や労働協約に抵触せず、また、従業員に周知されている限り、有効です。

また、記載すべき事項を欠く就業規則 を作成・届出しても、それは労働基準法が求める就業規則を作成・届出したことにはならず、労働基準法違犯となります。その場合は、「就業規則を作成・届出しない場合の罰則」で説明したとおり、30万円以下の罰金刑となります。

絶対的必要記載事項

絶対的必要記載事項とは、就業規則に必ず記載しなければならない事項のことです。

絶対的必要記載事項は、労働基準法において、以下の1~3が定められています。

就業規則の絶対的必要記載事項

始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
賃金(臨時の賃金を除く。)について、その決定、計算、および支給の方法、賃金の締切りおよび支払の時期ならびに昇給に関する事項
退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

(注意)

上記1において、始業および終業の時刻が、勤務態様または職種により異なる場合には、それぞれの勤務態様、職種ごとに規定しておく必要があります。
育児・介護休業に関する事項は、上記1の休暇に関する事項に該当します。

相対的必要記載事項

相対的必要記載事項とは、必ずしもこれを記載することは必要ではないが、もしこれらの制度に関して何らかの定めをするのであれば、必ず就業規則に記載しなければならない事項のことです。

相対必要記載事項は、労働基準法において、以下の1~8が定められています。

就業規則の相対的必要記載事項

退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払の方法、ならびに退職手当の支払の時期に関する事項
臨時の賃金等(退職手当を除く。)および最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる場合においては、これに関する事項
安全および衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
職業訓練に関する定めをする場合には、これに関する事項
災害補償および業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
表彰および制裁に関する定めをする場合においては、これに関する事項
その他当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

(注意)

上記1の、退職手当とは、いわゆる退職金のことで、退職金について不支給事由または減額事由を設ける場合には、退職手当の決定、計算および支払の方法に該当するので、就業規則に記載する必要があります。
上記8の、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めとは、休職に関する事項、財産形成制度等の福利厚生に関する事項、旅費に関する事項などが該当します。

任意記載事項

任意記載事項とは、絶対的必要記載事項および相対的必要記載事項以外の事項で、就業規則に記載することが義務づけられていない事項です。

例えば、社是、社訓、就業規則の基本的精神などがこれに該当し、記載するかどうかは自由です。