労働基準監督署の役割と権限

労働基準監督署の役割

労働基準監督署は、各都道府県の労働局の管内に設置された出先機関で、労働基準法等の法律に基づき、労働条件の確保や改善指導、労働者の保護に関する監督などを行っています。

労働基準監督署の役割は、「労働者を保護するため、企業に労働基準法等の法律を遵守させること 」です。

労働基準監督署の権限

労働基準監督署には、専門職として採用された労働基準監督官(以下、「監督官」といいます。)という職員がいます。

監督官は、会社がきちんと法律を遵守しているかどうかを調査する権限を持っており、会社に対して事前に通知することなく立ち入り調査ができます。その場にいる従業員に質問したり、帳簿やその他書類を調査することもできます。また、必要に応じて、経営者を労働基準監督署に呼び出し、調査・指導することもできます。

さらに、知っておきたいことは、監督官は刑事訴訟法に定められた特別司法警察職員として犯罪捜査を行い、いざとなれば法律違反者を逮捕もできる権限を持っているということです。違反事項が改善されなかったり、悪質だと判断すれば、送検することもできるわけです。

労働基準監督官の権限(労働基準法より)

第101条の1

労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の付属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問をおこなうことができる。

第102条

労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務をおこなう。

第104条の2

労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めたときは、使用者又は労働者に対して、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。

例えば、「36協定」の締結・届出をせずに、法定労働時間(週40時間、1日8時間)を超えて労働させていると、6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられることになります。

このような法律違反は、悪質な場合を除き、是正勧告などによって改善させることが一般的ですが、監督官の調査に対して不誠実な対応をとれば、刑罰を科せられる可能性もあります。