令和8年10月1日から新潟県の最低賃金が1,108円に引き上げ ――“含めない賃金”と月給者のチェック方法を解説

令和8年10月1日から新潟県の最低賃金が1,108円に引き上げられます。

時給制のパート・アルバイトだけでなく、月給制の社員についても「1時間あたりに直したときに、この金額を下回っていないか」を確認する必要があります。

 

この記事では、

・新潟県の最低賃金改定のポイント

・最低賃金の計算に「含めない賃金」

・月給者の最低賃金チェックの手順

を、できるだけシンプルに整理します。

 

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1.新潟県の最低賃金が1,108円に引き上げ

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令和8年10月1日から、新潟県の地域別最低賃金は「1時間あたり1,108円」に引き上げられることになりました。

 

最低賃金は、

・都道府県ごとに金額が違う

・「1時間あたり」の金額で決まっている

・毎年10月ごろに見直される

というルールになっています。

 

そのため、新潟県に事業場がある会社は、

「新潟県の最低賃金(1,108円)を1つの基準として、自社の賃金をチェックする」ことが必要になります。

 

注意したいのは、「見た目の時給や月給の金額」だけでは判断できない点です。

最低賃金を守れているかどうかは、決められたルールに沿って計算した「1時間あたりの賃金」と比較して確認します。

 

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2.最低賃金に“含めない”賃金とは?

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最低賃金をチェックするときは、「毎月決まって支払う基本給や手当」が基本になります。

ただし、次のような賃金は、最低賃金の計算からは除外します。

 

・慶弔手当などの「臨時」の手当

・ボーナス(賞与など、1か月を超えるごとに支払う賃金)

・時間外手当・固定残業代など、所定労働時間を超えた分の手当

・休日出勤の割増分など、所定労働日以外に働いた分の手当

・22時〜5時の深夜割増分

・精皆勤手当(出勤状況に応じて支給する手当)

・通勤手当(交通費など)

・家族手当(扶養家族の有無や人数によって変わる手当)

 

これらは、

・臨時的な性格が強いもの

・「割増」として上乗せしているもの

・実費や家族状況に応じて支給するもの

という性質があるため、最低賃金の計算からは外して考えます。

 

実務上、特に間違えやすいのが次の点です。

 

・「固定残業代を足して考えれば、最低賃金はクリアしている」と判断してしまう

・精皆勤手当や家族手当を含めて、ぎりぎり最低賃金を上回るように設計している

 

最低賃金を守れているかどうかは、「最低賃金に“含めない”賃金を除外した、素の時間あたり賃金」で確認する必要があります。

 

また、精皆勤手当・通勤手当・家族手当については、「名前」だけでなく「中身」で判断します。

たとえば、次のようなケースでは、実態としては「毎月の基本給に近いもの」とみなされ、最低賃金の計算に含める場合があります。

 

・遅刻や欠勤があっても、精皆勤手当を全員に一律で支払っている

・通勤距離や交通費に関係なく、通勤手当を全員に同額支払っている

・扶養家族の有無にかかわらず、家族手当を全員に支払っている

 

そのため、

・まずは上記の「原則、含めない賃金」をきちんと除外する

・自社の手当の支給ルールがどうなっているかも確認する

という2段階で見直していくことが大切です。

 

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3.月給者の最低賃金チェックの手順

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最低賃金は「1時間あたり」で決まっていますので、月給制の社員については、いったん「時間あたりの賃金」に直す必要があります。

 

基本的な手順は次のとおりです。

 

(1)最低賃金の対象となる月給額を出す

→ 基本給と、毎月支払う手当のうち「最低賃金に含めるもの」だけを合計します。

(前の章で挙げた“含めない賃金”はここから除外します)

 

(2)1か月の所定労働時間(平均所定労働時間)を把握する

→ 就業規則や雇用契約書などで決めている、1か月あたりの所定労働時間です。

ここでは例として「168時間/月」とします。

 

(3)「月給額 ÷ 所定労働時間」で、時間あたりの賃金を計算する

 

(4)その金額と、新潟県の最低賃金1,108円を比較する

 

具体例で見てみます。

 

例)

・基本給:195,000円

・資格手当: 5,000円(毎月支給され、最低賃金に含める手当とする)

・合計:200,000円

・1か月の所定労働時間:168時間

 

この場合の計算式は、

 

200,000円 ÷ 168時間 = 1,190.4円

 

となります。

 

1時間あたり1,190.4円ですので、新潟県の新しい最低賃金1,108円を上回っており、この社員については最低賃金をクリアしている、という判断になります。

 

なお、日給制・歩合制など、複数の賃金形態を組み合わせている場合も考え方は同じです。

それぞれを「1時間あたりの金額」に換算し、合計してから最低賃金(1,108円)と比較します。

 

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4.自社でチェックするときの注意点とまとめ

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最低賃金のチェックで特に大切なのは、次の3点です。

 

1つ目は、「必ず1時間あたりの金額に直してから比較する」ことです。

月給額や日給額の“見た目の数字”だけで判断すると、実は時間あたりで見ると最低賃金を下回っていた、ということが起こり得ます。

 

2つ目は、「最低賃金に含めない賃金をきちんと除外する」ことです。

時間外手当・休日手当・深夜割増・通勤手当・家族手当などを足したうえで安心してしまうと、気づかないうちに最低賃金を割り込むリスクがあります。

 

3つ目は、「毎年10月ごろの改定のたびに見直す」ことです。

最低賃金は一度確認して終わりではなく、物価や賃金水準などを踏まえて、毎年見直されています。定期的なチェックが欠かせません。

 

最低賃金は、「なんとなく大丈夫そう」ではなく、ルールに沿って数字で確認することが重要です。

今回の新潟県の最低賃金改定をきっかけに、自社の賃金体系を一度整理し、安心して働ける環境づくりにつなげていただければ幸いです。